外付けマイク

一眼レフカメラで動画を撮影する際、カメラ内蔵のマイクだけでは、多くの場合、十分な音質を得るのは難しい。なぜなら、内蔵マイクはカメラの操作音やレンズの駆動音を拾いやすく、また特定の音源を狙って録音するのにも向いていないからだ。そこで、よりクリアで臨場感のある音声を記録するために、外部マイクの装着が推奨される。


外部マイクの種類と特徴

一眼レフカメラに装着できる外部マイクには、主に以下の種類がある。

  • ガンマイク(ショットガンマイク):カメラのホットシュー(アクセサリーシュー)に装着して使う棒状のマイクだ。主にカメラの向いている方向の音を鋭く集音する「単一指向性」や「超指向性」という特性を持つ。遠くの被写体の声を狙ったり、周囲の雑音を抑えたりするのに適しており、YouTuberやVloggerがよく利用している。
  • ピンマイク(ラベリアマイク):被写体の衣服などに装着して使う小型のマイクだ。多くは360度全方向の音を拾う「無指向性(全指向性)」の特性を持つ。話者の声をクリアに録音したいインタビューや対談などで非常に有効だ。ワイヤレスタイプもあり、カメラから離れた場所での録音にも対応できる。
  • ステレオマイク:左右の音を別々に録音することで、立体感や臨場感のある音声を記録できるマイクだ。コンサートや自然の音など、空間の雰囲気を伝えたい場合に活用される。

マイクを選ぶ際のポイント

外部マイクを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがある。

  • 指向性:前述したように、マイクには音を拾う方向の特性である指向性がある。何を録音したいかによって、単一指向性、無指向性、超指向性、双指向性などを選ぶ必要がある。
  • 電源方式:マイクには、カメラから電源を供給される「プラグインパワー方式」と、マイク自体にバッテリーが必要な「独立駆動方式」がある。プラグインパワーは手軽だが、マイクの選択肢が限られる場合がある。独立駆動方式は長時間撮影に向いているが、バッテリー管理の手間が増える。
  • ノイズ対策:屋外での撮影が多い場合は、風切り音を軽減するウインドスクリーンや、カメラの振動音を拾わないようにするショックマウントが付属しているか、あるいは別途購入できるかを確認すると良い。また、低音域のノイズをカットするローカットフィルター機能があると、よりクリアな音を録音できる。
  • 接続方法:ほとんどのマイクは3.5mmステレオミニジャックでカメラに接続するが、ソニーのカメラには「マルチインターフェースシュー」に対応したマイクもあり、ケーブルなしで装着でき、デジタル音声伝送による高音質化が期待できる。
  • サイズと重さ:カメラに装着するため、あまりにも大きすぎたり重すぎたりするマイクは、取り回しが悪くなる可能性がある。特に小型軽量なミラーレスカメラでは、バランスも考慮に入れると良いだろう。

装着方法と注意点

外部マイクは、一般的にカメラ上部の**ホットシュー(アクセサリーシュー)**に取り付ける。機種によっては、マイク入力端子にケーブルで接続するものもある。取り付けは簡単で、マイクをホットシューに差し込み、ロックするだけだ。接続が完了すれば、カメラの音声設定で外部マイクが有効になっているかを確認し、録音レベルを調整すればすぐに使用できる。

ただし、マイクを装着したからといって常に最高の音質が得られるわけではない。マイクの向きや被写体との距離、周囲の環境音などを考慮し、適切な設定と使い方を心がけることが重要だ。例えば、インタビューであればマイクを被写体の口元に近づける、風の強い場所ではウインドスクリーンを使うなど、状況に応じた工夫が求められる。

適切な外部マイクを選ぶことで、一眼レフカメラでの動画撮影のクオリティは格段に向上するだろう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました